肌寒い日もあると思いきや、不意打ちのような酷暑に見舞われる日もチラホラ。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
前回に引き続き、都内で見られる季節の花の見所をピックアップしてみました。今月は『バラ』です。今回は筆者が以前伺った、都内の二つのスポットを紹介します。

神代植物公園
武蔵野の面影が残る園内で、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができるこの公園は、もともと東京都の街路樹などを育てるための苗圃でした。戦後、神代緑地として公開されたあと、1961年(昭和36)に名称も神代植物公園とあらため、都内唯一の植物公園として開園しました。
シンメトリックに設計された沈床式庭園に植えれたバラ(春バラは409品種5,200余本、秋バラは約300品種5,000余本)の花期は年2回。
春は5月下旬の頃が盛りで、秋は10月中旬からです。秋の花は小ぶりですが、色彩が鮮明です。

神代植物公園のバラ園は、第15回世界バラ会議バンクーバー大会において「世界バラ会連合優秀庭園賞」を受賞しました。
「世界バラ会連合優秀庭園賞」は、大会中各国の代表者による評議委員会の席上で決定されるもので、受賞条件として、常時最高水準のバラを展示していること、美しく魅力的なバラ園を一般に開放していること、来園された一般の人たちがバラに関する知識を会得できる教育的な場であること、原種の保存を行っていること、国際的な規模で継続的にバラを試作できることなどがあげられています。神代植物公園は、開園当時から栽培している海外でも例を見ないほどのバラの老大株、中央部に噴水を配置した左右対称の整形式沈床庭園、ロサ・キネンシス・ミニマなど79種類の原種バラコレクション等が評価され、受賞が決定しました。

・・・ 筆者のひとこと ・・・
お隣の深大寺と合わせて行かれるのもオススメです。深大寺は、浅草寺に並ぶ東京を代表する古刹でもあります。
深大寺の周囲にはお寺を囲うように水路が張り巡らされており、夏の暑い時期には涼を誘います。
深大寺の名は、深沙(じんじゃ)大王という水神に由来しています。
周辺には湧水地が多く、戦前には水車を使った農業などが盛んに行われていたそうです。
参道にはお蕎麦屋さんが連なり、「深大寺そば」が有名なのだそう。せっかく足を運んだなら、是非美味しいお蕎麦をいただきたいですね。

旧古河庭園
旧古河庭園は、約90種180株のバラが華やかに咲き誇る洋風庭園と重厚な洋館、そして京都の著名な庭師、七代目小川治兵衛作庭の日本庭園を贅沢に味わうことができる、都内でも貴重な庭園です。

武蔵野台地の南斜面という地形を活かし、北側の小高い丘には洋館を建て、斜面には明るい洋風庭園、そして低地には池を中心にした日本庭園を配したのが、この庭園の特徴です。
この庭園はもと明治の元勲、陸奥宗光の邸宅でしたが、宗光の次男が古河財閥の養子となり、古河家の所有となりました。
その後三代目古河虎之助が現在の建物を建築しました。戦後、国へ所有権が移りましたが、地元の要望などをとり入れて、東京都が国から無償で借り受け、一般公開するようになりました。
洋館と洋風庭園の設計者は、明治から大正にかけて日本に住んだ英国人ジョサイア・コンドル(1852~1920年)です。
このほかにも、旧岩崎久彌邸(旧岩崎邸庭園)、鹿鳴館、ニコライ聖堂などの設計を手がけ、我が国建築界の発展に多大の貢献をしました。
日本庭園は京都の著名な庭師、植治こと小川治兵衛の手によるもので、洋風庭園に勝るとも劣らない名園を造りあげています。
旧古河庭園は、数少ない大正初期の庭園の原型をとどめる貴重な存在で、昭和57年8月4日に東京都文化財に指定され、平成18年1月に国の名勝に指定されました。

・・・ 筆者のひとこと ・・・
最も近い最寄駅は他にもありますが、JR山手線の駒込駅からですと、賑やかな駅前の商店街を抜け、駒込の町並みを眺めながら歩くのも乙なもの。都電荒川線に乗り、下町の風景を眺めながら飛鳥山駅で降りるというのもアリです。